我が家の棚卸し



 
週末のささやかな楽しみは、公園のフリーマーケットや神社の骨董市などをフブラブラして、
そこはかとなく懐かしい雰囲気の漂っているレトロな雑貨を見つけてくることです。
最近は、本格的な骨董とかアンティークというよりも、どらちかといえばガラクタに近いような、
そんな古道具が好きみたいです。

一日歩いて買い物がひとつもなし、という日もありますが、
何らかの収穫があった場合は、一時保管用の棚へ無造作に入れておきます。
不揃いのコーヒーカップ、木彫りのクマが付いた万年カレンダー、半端もののお皿、
陶磁器でできたネコやパンダの人形、マッチラベルのスクラップブック、スミレ色のガラス皿、
サッポロビールのノベルティグラス、、、
見れば見るほどガラクタの山ですが、
贈答用の箱に入ったままの昭和レトログラスなんていうのもあります。

ガラクタ的レトロ雑貨は、しばらくの間、こうして一時保管棚の中で、
次々にやってくる新入りに押し潰されそうになりながら、「本当の居場所」を待ち続けます。
俺のいるべき場所は、ここじゃないんだ〜、なんて叫んでいるかもしれません(笑)

一時保管場所がギュウギュウになって、もう本当にこれ以上スペースがないという瞬間が来たら、
そのときが我が家の棚卸しの始まりです。

自分流ルールでは、それぞれの雑貨には置き場所が決まっていて、
できるだけ多くのものを飾りたいと思っているのですが、飾り棚の空間にも限界があることから、
新しい何かを飾るためには、古い何かを棚から下ろさなければなりません。
そのため、棚卸しのときには、新しい何かと古い何かとを比較しながら、
正式な飾り棚の内容を整えていくのです。

正式な飾り棚に行くことのできなかった雑貨たちは、
いよいよ本格的な保管場所である「段ボール箱」の中へ収納されます。
一度仕舞い込んでしまうと、
再び出会う日まで長い時間がかかってしまうということは良く分かっているのですが、
狭い部屋の中で暮らしている以上、これもやむを得ないことと割り切っています。

棚卸しが終わった直後の我が家は、一年のうちでもっとも整理された空間となり、
一時保管場所である古い茶箪笥も広々として気持ちの良い空間となります。
けれども、本当のことを言うと、僕はこのいろいろなガラクタが雑多に詰め込まれている状態の、
一時保管棚が一番好きな場所なのです。

秩序もまとまりもないけれど、それぞれの雑貨が思い思いに自己主張しているような、
そんな自由な雰囲気が良いのかもしれない。
そんなふうに思ってみたりもします。

一時保管棚は、また少しずつ雑貨に埋もれ始めています。
次の棚卸しのときが来るまで、僕はこの雑多な空間をぼんやりと眺めようと思うのです。
 

 

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